三浦半島の食文化を発信しながら、地域に根ざした飲食事業を展開する たのし屋本舗。
同社は、支援の必要な中高生へのキャリアサポート事業の協力企業として、軽度障害のある中高生たちの職業体験を受け入れてくださっています。
今回のインタビューでは、代表の下澤さんに、受け入れを通して感じた生徒たちの成長、企業側の学び、そして地域教育への想いについてお話を伺いました。
下澤代表は、地域の子どもたちへの教育活動に関わる理由について、こう語ります。
「僕は、三浦半島の"食"を伝えることが仕事だと思っているんです。子どもの頃から地域の魅力を知ってもらえれば、自分の街を好きになってくれる。そうなったら最高ですよね」
たのし屋本舗では、地元食材や地域文化を大切にした店舗運営を行っており、その想いは日々の接客や料理づくりにも込められています。
今回の職場体験では、生徒たちはホールとキッチンに分かれ、実際の店舗業務を体験しました。
開店前の準備、清掃、配膳、接客、調理補助など、本物の現場の中で働く経験は、生徒たちにとって大きな挑戦です。
「最初はみんな緊張していて、声もなかなか出なかったようですが、2日目には、見違えるくらい元気に挨拶ができるようになっていたと、スタッフたちから聞いています」
生徒たちからは、「仕事が楽しかった」、「またやってみたい」、「賄いが美味しかった」
といった前向きな感想が多く寄せられました。
なかでも印象的だったのは、ある生徒が振り返りシートに書いた「店内に温かい空気が流れていた」という言葉。
下澤代表は、
「最高の褒め言葉です。私たちのまさに目指しているところです。お店の空気感を感じ取って、それを言葉にできるのは本当にすごいことだと思います」
と、生徒の感性に驚かれていました。
軽度障害のある中高生の中には、人とのコミュニケーションに不安を感じたり、「自分にできるだろうか」と緊張しながら参加する生徒も少なくありません。
しかし、実際の現場で"役割"を持ち、「ありがとう」と声をかけられる経験は、生徒たちに大きな自信を与えます。
「笑顔や声出しって、飲食の仕事だと成長がすごく分かりやすいんですよ。最初できなかったことが、2日目にはできるようになる。その変化を本人たちも実感できると思います」
実際に、生徒たちは接客や配膳、清掃などを通して、少しずつ自分から動けるようになり、現場スタッフからも「助かった」という声が上がっていたそうです。
職場体験の受け入れは、生徒たちだけでなく、企業側にとっても多くの気づきや学びにつながっているそうです。
下澤代表は、今回の取り組みを通して「人に教えること」の難しさと大切さを改めて実感したと話します。
「人に教えるって、本当に難しい。でも相手が地域の子どもたちだからこそ、スタッフの対応にも自然と優しさが生まれるんです。それはスタッフ教育としても、すごく良い経験になっています」
一方で、下澤代表は、近年の若者に感じる"指示待ち傾向"についても率直に語ってくださいました。
「本当は、自分で考えて『これやってみよう』って動けるようになると、仕事ってもっと面白くなると思うんですよね。経営者としても、そういう人材を求めています。でも今の時代は、学校教育でも企業でも、効率やミスを減らすために細かく指示を出したり、マニュアル化したりする場面が増えている。だから、今の若者の"指示を待つ姿勢"って、大人側の都合でそう育てられてきた部分もあるのかなと思うんです」
今回の職場体験でも、生徒たちが安心して取り組めるよう、作業内容を整理し、スタッフが丁寧にサポートを行っていました。
そのうえで下澤代表は、「最初は支えが必要でも、その先に"自分でできた"という経験を積めることが大切」だと話します。
「もちろん、最初は分かりやすい説明や導線は必要です。でも、その先で『自分で考えて動けた』という成功体験を積めると、仕事はもっと楽しくなると思うんです」
また、生徒たちが一生懸命に仕事へ向き合う姿は、現場スタッフにも良い刺激を与えていたそうです。
「子どもたちが真剣に頑張る姿を見ると、教える側も自然と熱が入るんですよね。"人を育てる"ことの原点を思い出させてもらった感じがあります」
下澤代表は、このキャリア支援事業について、"目の前の人のために働く実感"を得やすい仕事は、子どもたちの成長につながるのではないかと話してくださいました。
「特にパン屋さんとか、何かを"作り出す仕事"はすごく相性がいいと思います。完成が見える仕事って、子どもたちも達成感を感じやすいんじゃないかな」
最後に、これから参加する生徒たちへのメッセージをいただきました。
「最初は緊張しても大丈夫。やってみると、仕事って楽しいんですよ。少しずつでもできることが増えていくと、自信になります」
そして、他企業へのメッセージとして、
「この事業は、子どもたちの成長だけじゃなく、スタッフの成長にもつながります。"教えること"を通して、人として大事なことを改めて学べる機会だと思います」
と語ってくださいました。
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店舗名:うれしたのし屋
所在地:神奈川県横須賀市追浜町3-38
アクセス:追浜駅より徒歩5分
電話番号:046-865-6641
営業時間:11:30~22:00
店休日:不定休
お店の特徴
地域の未来を担う子どもたちが、"働くこと"を通して自信や社会とのつながりを育んでいく――。
たのし屋本舗の皆さまの温かなご協力に、心より感謝いたします。
横須賀市平成町2-14-4
受付:平日8:45~17:00
総務渉外課(代) TEL046-823-0400
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